卒業生インタビュー
【Vol.01】 井上 かな さん
経歴
東京都立総合芸術高校 美術科 日本画専攻 卒業
現在 20歳 予備校の河合塾美術研究所にて東京藝術大学を目指して勉強中
がじゅくの在籍期間:2008.9月小学校2年生〜2013.3月小学校卒業まで
ーー小学校までがじゅくに在籍していた井上かなさんにお話を聞かせて戴きました。
普段お教室では聞けないお話やがじゅく卒業生の素顔など貴重な内容満載です。
現在、かなさんは一日6時間デッサン・着彩に取り組んでいる中、先日galleryで個展を開いたばかりだそうです。がじゅくにいた頃のお話や今後は、どんな展望を抱いているのかをお伺いしました。
がじゅくで面白かったことなどの思い出
Q こども美術教室がじゅくはどんな印象でしたか?
A いろみず(三原色色水を使用した混色トレーニング)をしたのと白黒のクレヨンで牛骨を描いたことが楽しかったです。いろみずはどんな色になるか想像し混色するのが自分の知識にもなって魅力的でした。体験授業の子がするいろみずを見ているのも楽しかったです。
牛骨の絵は、普段は没収されている白と黒が使えることが嬉しくて描いていた記憶があります。
Q がじゅくがきっかけで今の道につながっていることがあれば教えてください
A 中学の美術の先生が絵を褒めてくれて。がじゅくが活きているんじゃないかなと。絵を専門的にやる高校を勧めていただいて 東京都立総合芸術高校 の文化祭に行き、展示と雰囲気をみて通うことに決めました。
2010年にがじゅくのイベントで六本木の新国立美術館に行った時、クロッキー帳に大竹先生(塾長)に絵を描いて頂いて今もその絵を飾っています。私が10歳の時だったんですけどさらさらっと描いてくださってびっくりして。これが絵の勉強をした人なんだって。絵の道に進むきっかけのひとつですね。
牛骨の絵(2010年当時10歳)
塾長のクロッキー
がじゅくに入って良かったこと
Q 他に目を向けられるようになったこと、興味が出たことはありましたか?
A がじゅくには色んな分野の先生がいらっしゃるので美術と言っても、色々なものがあるんだ!と学びました。おかげで高校に舞台美術とか音楽科があったので描くこと以外にも幅広く各方面に目を向けられました。
実際に、高校2年の共同制作の授業では、他のジャンルの同級生と一緒に活動することでこういうことを頑張っているんだな、、と、イメージや想像だけだったものが具体的に理解が深まりました。これから仕事をしていく上でとか、今後のためになるなって思いましたね。
Q がじゅくで学んだことで工夫できた所や今いかせていることなどありますか?
A 技術的な面では、混色で迷わない事、同じ色でもちょっとした変化があるなと鍛えられました。制作の時には水彩絵具用のパレットを、2枚使用していて計100部屋あるんですが従来の部屋数だと足りないので、改良して細かい仕切りの部屋を増やしたくらいです。
現在使用しているパレット
現在の作品紹介
ーー現在、(予備校の河合塾美術学校に通われている中で)制作した作品のコンセプトなど
を伺いました。
作品:牡丹 / 岩絵の具
浪人してしまったので日本画制作は出来ないと思っていた所、予備校の先生に描きなよ!と言っていただきお言葉に甘えて描いたものです。
高校の友人と牡丹園に行ったのをきっかけに取材をし、制作しました。浪人中なので今年はこれしか描けないから全部出し切ろう!と思って描きました。
これがあったから今回、ギャラリーでの個展の機会に恵まれました。
作品:孔雀鳩 / 水彩絵の具
二日間の制作で計9時間で描きました。絵が少し日に焼けてしまい、描き上がった当初よりも色が薄く見えるかもしれません。モチーフの鳩の羽のふわふわ感と表情がかわいく惹かれました。描いている間も楽しかったです。
ーー高校の卒業作品
作品:カラスとリンゴの絵 / F100号 / 岩絵の具・コンテ・水彩色鉛筆・木炭
美術館に展示するため、制作期間は、2年の2、3月から下図を考え始めていて、本格的に制作するのが3年生のはじめからで12月の卒業制作展に向けて描きました。
カラスが自分の中でブームの時で。りんごが色味があるのと白黒のものがありますが、実は黒の下にカラフルな下地を塗っています。黒い絵の具を洗うと下の色が出てくるので、その上に水彩色鉛筆でちょこちょこっと描いていきました。
今後の展望
Q 最後に、将来は何をして行きたいか、もしくはもう始めていることがあれば教えてください
A 今年は一回展示をさせていただく機会があったんですけれども、これからもコンスタントに展示をしたいのと、他にも色んな技法でやってみたいことがあったり、思いついたらどんどん挑戦していきたいです!
ーー本日は、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。